(第47回 MOEイラスト・絵本大賞 応募作品)

〈1〉買い物へ出かけた、さねちゃんとお姉ちゃん。二人はおそろいの消しゴムを買ってもらうことにしました。「このピヨちゃんの、かわいいねぇ。」

〈2〉帰り道、さねちゃんはルンルンでかけだしました。早く使いたくてしょうがないのです。「ピーヨちゃ ピヨちゃ・・・♪」

〈3〉それからというもの、さねちゃんは消しゴムを使うのが楽しくて楽しくて、毎日お絵かきばかりに夢中です。そんなある日のこと。「あ〜ぁ、こんなにちっちゃくなってしもうたー。」たくさん使った消しゴムは、あっというまに小さくなってしまいました。

〈4〉しょんぼり顔のさねちゃんを見て、お姉ちゃんが言いました。「ほら、こっちの大きいピヨちゃんがお姉さんで、小さいピヨちゃんは妹。わたしとさねちゃんみたいだね。」さねちゃんは、小さくなった消しゴムを見つめて、「おなじ。」とつぶやきました。そして少しだけ、笑いました。